ものづくりへのぶれない情熱が醸す大吟醸酒

精米は自社の精米工場で3日間かけて米が割れないようにゆっくりと精米し、精米後はさらにふるいにかけて整粒のみにします。
洗米浸漬は、洗米の水が澄むまできれいに洗米し、浸漬では米が水分を吸う状態を見ながら秒単位で浸漬時間を見極めて水分調整しま す。限定吸水で浸漬した米は、甑（こしき）で約６０分蒸しあげて仕込や麹造りに入ります。

製麹（せいきく）は蓋麹法（ふたこうじほう）で蓋と呼ばれるへぎのような木の器に1.5Kg（１升）ずつ盛り込み造ります。室温３２ ～３８度の室（むろ）の中で昼夜を問わず仕事を繰り返し、約55時間（丸２日と７時間）をかけて大吟醸の発酵に最適な酵素力を持つ 麹へと麹菌をみちびきコントロールしていきます。麹の酵素力のバランスで酒の味わい、主に濃淡などが決まる大切な工程です。

醪発酵の工程では、一つの仕込みの総米は650ｋｇ仕込。少量で仕込むことで発酵の品温管理が0.1度単位で管理できます。精米歩合45 ％以下の大吟醸酒は、仕込温度は6度、最高品温は10度とごく低温で管理します。そうすることで米の溶け具合をコントロールし極限 まできれいな雑味のない酒にしあげるのです。また酵母菌が活動できるぎりぎりの品温で発酵をさせることで吟醸香が、口に含んだ時 に軽く軽快になります。醪発酵は約３５～４０日間、この期間は昼夜問わず品温管理するため、一番気の張りつめた期間となります。

越の誉大吟醸の酒米「越神楽こしかぐら」とは

日本酒の最高峰である大吟醸酒こそ、地元で採れた米で地の水と蔵人で醸しあげたい。真の柏崎地酒を醸す酒造メーカーをめざしてと りくんできました。そのためには柏崎の地で栽培適正がありかつ高精白に耐えうる精米耐性のある良質の酒米が必要でした。
1996年、今から17年前に「中央農業総合研究センター・北陸研究センター」と原酒造の共同開発により品種の選定から始まりました。 今までの17年間では、数種類の種もみを、酒が仕込めるまで育て、栽培適正をデータとして結果を出していくなど困難な歳月もありま した。2004年には、試験醸造開始。第二段階は実際に酒に醸しあげた時の特徴など、醸造適正を見極めながらの酒造りが始まりました 。こうして地道ながらも、独自の酒米作りにと着実に進めてきました。
このように弊社は、今現在の気候の変化、温暖化傾向にも順応した栽培適正にこだわり、本当にいい酒米を作りあげるという「新品種 開発」という道へ進みました。
そして、2010年新品種の酒米は、越後を代表する酒米に育ってほしいという思いから「越神楽」として命名、品種登録されました。越 神楽の誕生です。
2013年、越神楽で醸した大吟醸酒で全国新酒鑑評会３年連続金賞を受賞することができ、全国的に認められる大吟醸酒になる酒米であ ることが確立されました。